時々


「失恋ごときで自殺とは情けない」 


といって憚らない御仁がいらっしゃるが、


よく考えてみて欲しい。




失恋とは、


生物学的に考えれば、


「貴方の遺伝子は不要です」 


そう言われているに等しい。



遺伝子が不要ということはつまり、


個人の無条件下における全否定である。



さらに失恋では、


これに加えて


社会的ダメージや


心理的ダメージもあるのであって、


そのダメージは


計り知れず、


生涯に渡って影響する。




「失恋ごときで自殺とは情けない」 


といって憚らない御仁が今の時代


どのくらいおられるか知らないが、


もしおられるのだとすれば、


考えを改めて頂きたい。 




そして、


どんなに綺麗事を並べて離別したとしても、


どんなに正当な理由を以て別れたとしても、


それは捨てられる側にとっては、


生物学的・心理学的・社会的存在としての


あらゆる全否定であることを、


忘れないでいて欲しい。




捨てる側も、


この人を全否定して


死に追いやってもいいという覚悟と、


それによって、


自らも生涯傷つく覚悟をもつことが、


恋や愛を交わし合った者としての


責任だと


僕はそう思う。